新しいお店・新しい媒体に在籍を増やした。条件も良さそうだし、新規のお客様が増える期待もある。でも初日のシフトを開いてみたら、予約はゼロ。
これは珍しいことではありません。むしろ、在籍を増やした初週にいちばん多い光景です。理由もはっきりしていて、新しい媒体側にはまだ自分を知っている人が1人もいないから。放っておけば、初週は「新規のお客様が偶然見つけてくれるのを待つだけ」の期間になります。
この記事では、在籍先を1つ増やしたときの初週の7日間に何をするかを、既存のお客様を連れて行く手順と、新媒体側で新規を拾う動きの2本立てで整理します。そのまま使える告知の文面と、初週の数字をどう見るかまで含めてまとめました。
結論|初週は「連れて行く」と「拾う」を分けて同時に走らせる
先に結論をお伝えします。在籍を増やした初週にやることは、性質のまったく違う2つの動きです。
| 連れて行く(移送) | 拾う(新規獲得) | |
|---|---|---|
| 相手 | 既存の本指さん・リピさん | 新媒体を見ている、まだ自分を知らない人 |
| 使う場所 | 自分のSNS・公式LINE・オキニトーク | 新媒体のプロフィール・写メ日記・ランキング |
| 効く速さ | 初日から効く | 2〜4週かかる |
| 初週の役割 | 初日の枠を埋める | 種をまく |
| 失敗の形 | 「乗り換えて」と迫って古い店の常連を減らす | 露出だけ増やして予約導線がない |
初週でいちばんまずいのは、この2つを混ぜてしまうことです。新規が来るのを待ちながら既存客への連絡を後回しにすると、初日は確実に空きます。 逆に、既存のお客様に「新しい店に移るので今後はこっちで」と言ってしまうと、移籍でもないのに移籍の告知になってしまい、元の店の常連さんを削ることになります。
初週は、既存客で初日の枠を埋めて、その稼働実績を新媒体側の露出に変える。この順番が基本です。
なぜ在籍を増やした初週はつまずくのか|3つの理由
理由1:新媒体には「あなたを探している人」が1人もいない
すでに在籍している店では、指名で入ってくれる人が一定数います。新媒体にはそれがありません。プロフィールを載せた瞬間から、あなたは「その媒体の新人」として扱われます。
キャリアが何年あっても、媒体単位では新人スタートです。新媒体側のランキング・新人枠・写メ日記の露出は、実績のない状態から積み直しになります。だから初週の枠は、既存のお客様で埋めるしかありません。
理由2:既存のお客様に「どっちで会えばいいか」が伝わっていない
在籍が2つになった瞬間、お客様側には新しい判断が発生します。「どっちの店で予約すればいいの?」「値段は違うの?」「いつもの予約の取り方でいいの?」——ここが曖昧だと、お客様は判断を先送りにします。先送りは、そのまま予約が消えることを意味します。
移籍なら「◯月から新しい店です」で済みますが、在籍追加は両方で会えるのが前提です。だからこそ、選び方をこちらから提示しないと動いてもらえません。この点が移籍・在籍終了の告知と決定的に違うところです。
理由3:出勤情報が2か所に散らばって、どこを見ればいいか分からなくなる
在籍が1つのときは、「お店の出勤表を見て」で完結していました。2つになると、A店の出勤表とB店の出勤表を両方見ないと、あなたの1週間が分かりません。
お客様は、そこまでしてくれません。出勤情報が分散した瞬間、事前予約は落ちます。 ここは初週の準備段階でつぶしておく必要があります。
準備編|初日までにやっておく3つのこと
新媒体の初出勤日が決まったら、その日を迎える前に以下を済ませておきます。理想は初日の7日前、遅くとも3日前です。
準備1:出勤の見え方を1本にまとめる
A店の出勤とB店の出勤を1つの画面で見られる状態を作ります。お客様に渡すのはそのURL1本だけにします。
やり方はいくつかありますが、共通するのは「お客様に2か所を見比べさせない」こと。自分の側で統合して、まとめた形で渡します。
- 各日付にどちらの在籍かを明記する(例:8/12(水) 13:00〜20:00 / A店)
- 料金やコース時間が違うなら、その日の欄に併記する
- 週の頭に1回まとめて更新し、変更が出たらその画面だけ直す
こうしておくと、シフトが動いても告知の書き直しは1回で済みます。詳しくは出勤予定を1つのURLでまとめて共有する方法で解説しています。
準備2:既存のお客様の「どっちで会うか」を先に決めておく
お客様ごとに、どちらの店を案内するかの方針を自分の中で決めておきます。全員に同じ案内をすると、判断がお客様側に丸投げされて動きが止まります。
決め方の目安は3つです。
- 移動距離 — お客様の職場・自宅から近いほう
- 時間帯 — その人がいつも来る時間に、自分がどちらで出勤するか
- コース内容・料金 — 長めのコースを取る人なら、それが用意されているほう
「Aさんは職場が近いからB店の平日夕方枠」「Bさんはいつもロングなのでコースが長いA店」といった具合に、個別連絡を送る前に決めておく。これがあるだけで、連絡文が「新しい店にも入りました」から「◯◯さんはこっちのほうが便利だと思います」に変わります。後者のほうが圧倒的に動いてもらえます。
準備3:予約の受け口を混ぜない設計にする
在籍が増えると、予約の入り口も増えます。A店のweb予約、B店のweb予約、自分へのDM、公式LINE、新媒体のメッセージ機能——初週にここが整理されていないと、同じ時間帯に別ルートから予約が入って重複します。
最低限、次の2つを決めておきます。
- 直接の予約(姫予約)は、どのルートで受けるかを1本に決める。増えた媒体のメッセージ機能を予約窓口にはしない(通知を見落とすため)
- 店経由の予約は、店から自分にどう伝わるかを店ごとに確認しておく。A店はLINEグループ、B店は電話、のように違うことがあります
複数の予約導線を1つの投稿で説明するやり方は、LINE・DM・web・電話の予約導線を1投稿で整理する方法にまとめています。
初週の7日間タイムライン
準備が済んだら、実際の動きです。初日を Day 0 として、前後の動きを並べます。
| タイミング | やること | 目的 |
|---|---|---|
| Day -7 | 全体告知①(在籍が増えたことのお知らせ) | 認知 |
| Day -5 | 本指さんへの個別連絡 | 初日の枠の確保 |
| Day -3 | 全体告知②(初日の日時と残枠を明示) | 事前予約 |
| Day -1 | 予約済みの方へのリマインド / 残枠の再告知 | 当日飛び防止・駆け込み |
| Day 0 | 初日。出勤中の実況告知+接客後のお礼投稿 | 稼働実績を作る |
| Day 1 | 初日のお礼+次回出勤の告知 | 2回目に繋ぐ |
| Day 3 | 新媒体側のプロフィール・写メ日記を初日の内容で更新 | 新規への露出 |
| Day 7 | 初週の数字を確認し、翌週の枠配分を決める | 継続判断 |
この並びの意図は、Day -5 の個別連絡で初日の枠を先に埋めてしまうことにあります。初日が空いた状態で当日を迎えると、新媒体側での初日の印象が「暇そうな人」になってしまい、そこから巻き返すのに時間がかかります。
逆に初日がある程度埋まっていれば、当日「本日は満枠になりました」「ラスト1枠🈳です」といった告知が出せます。この初日の実況が、新媒体側での最初の実績になります。
既存のお客様を連れて行く|そのまま使える告知3型
型A:全体告知(乗り換えを迫らない書き方)
SNS・公式LINEなどに出す最初の告知です。ここでのポイントは、既存の店を続けることを明言することです。
いつも会いに来てくださってありがとうございます。
◯月◯日から、△△(新しいお店)にも在籍することになりました。A店は今まで通り出勤しています。 どちらでもお会いできます。
△△の初日は ◯/◯(◯) ◯◯:00〜◯◯:00 です。
出勤予定はこちらにまとめています(A店・△△の両方載せています)
▼
(出勤予定のURL)
「A店は今まで通り」の1行が最重要です。これがないと、常連さんは「移るんだ」と受け取り、A店での予約を控え始めます。在籍追加の告知が、意図せず移籍の告知として機能してしまうのがいちばんもったいない失敗です。
型B:本指さんへの個別連絡(初日の枠はここで埋める)
Day -5 に、本指名さん・リピさんへ個別に送ります。全体告知だけでは初日は埋まりません。
◯◯さん、こんばんは。
◯月から △△ にも入ることになりました。A店はこれまで通りです。△△ のほうが◯◯さんのお仕事帰りだと寄りやすいかなと思って、ご連絡しました。
(※ 相手に合わせた理由を1行入れる。近い/時間が合う/コースが長い等)初日が ◯/◯(◯) の ◯◯:00〜 で、いまのところ ◯◯:00〜 と ◯◯:00〜 が空いています。
もしタイミング合えばぜひ。合わなければA店でお待ちしています。
3つのことをしています。
- A店を続けることを再度伝える(安心してもらう)
- その人に向けた理由を1行入れる(「みんなに送ってる文」に見せない)
- 具体的な空き枠を2つだけ出す(選択肢が多すぎると決められない)
そして最後の「合わなければA店でお待ちしています」で逃げ道を作ります。ここがあると断りやすくなり、断られても関係が減らない。逆にこれがないと、来られない人は返信自体をしなくなります。
型C:新媒体だけの特典で背中を押す
どうしても初日が埋まらないときの手です。ただしやりすぎないことが前提になります。
△△ の初日限定で、ご予約の方は +10分 サービスさせていただきます。
新しいお店に慣れるまでの、はじめましての気持ちです。
期間を「初日だけ」「初週だけ」と切ることで、値引き癖をつけずに済みます。特典の作り方そのものは事前予約したくなる特典の作り方で詳しく扱っています。
注意点として、A店のお客様をB店の特典で引き抜く形にしないこと。すでにA店で来てくれている人に「B店なら+10分」と出すと、A店の単価を自分で削ることになります。型Cは、しばらく来ていない休眠の方や、まだ一度も来ていない新規向けに使うのが安全です。
新媒体側で新規を拾う|初週にやる3つの動き
既存客の移送と並行して、新媒体側でも種をまきます。ここは初週に結果が出るものではないので、Day 0 以降の余力でやるのが現実的です。
動き1:プロフィールを「今日会える人」向けに書く
新媒体を見ている人は、あなたを探しに来たわけではありません。「今日、この時間に会える人」を探しています。 だからプロフィールに書くべきは、経歴でも自己紹介でもなく、次の3つです。
- どの時間帯に、どのくらいの頻度で出勤しているか
- 予約はどう取ればいいか(web / 電話 / DM のどれか)
- どんな時間になるか(施術内容・雰囲気)
この考え方はお客様に"見つけてもらう"プロフィール導線の作り方にまとめています。
動き2:初日の実績をそのままコンテンツにする
初日が終わったら、その日のうちに書きます。
△△ での初日、無事に終わりました。
ご予約くださったお兄さん、はじめましての方も、ありがとうございました。
次回は ◯/◯(◯) ◯◯:00〜 に入ります。
新媒体側の写メ日記に初日から更新があるというだけで、「稼働している人」として見てもらえます。逆に、在籍だけして日記が止まっている人は、お客様側から「本当に出勤しているのか分からない人」に見えます。
動き3:どちらの媒体から来たか分かるようにしておく
初週で最も価値があるのは、新媒体から実際に人が来たかどうかのデータです。これが取れていないと、翌週以降「新媒体に枠を割く価値があるのか」を判断できません。
いちばん簡単なのは、新媒体だけで出す合言葉や割引を作ることです。「△△を見た方は◯◯とお伝えください」の一言があるだけで、流入元が分かります。やり方は「◯◯見て来てくれた方割引」の運用と効果測定で解説しています。
初週にやりがちな失敗3つ
失敗1:「移籍します」と受け取られる告知を出してしまう
いちばん多い失敗です。「新しいお店に入りました!」だけを投稿すると、既存店の常連さんは移籍だと解釈します。その結果、既存店での予約が止まり、新店はまだ育っていないので、両方とも減るという最悪の初週になります。
対策は単純で、在籍追加の告知には必ず「既存店も今まで通り」の1行を入れること。これだけで防げます。
失敗2:出勤情報を媒体ごとにバラバラに出す
A店のことはA店の投稿で、B店のことはB店の投稿で——と分けると、お客様にはあなたの1週間が見えなくなります。「今週は会えるのかな」が分からない状態では、事前予約は生まれません。
複数在籍になった時点で、自分の出勤は1本にまとめて出すのが原則です。店ごとの事情は、その1本の中で日付ごとに書き分けます。
失敗3:初週の重複を「気をつける」で乗り切ろうとする
在籍が2つになると、予約の入り口が増えます。A店経由の予約が入っていることを忘れて、同じ時間にB店の姫予約を受けてしまう——これが起きると、初週で信用を落とします。しかも新しいお店側に迷惑をかけると、初週の印象がそのまま定着してしまいます。
初週は特に、予約が入った瞬間に1つの画面に落とす運用を徹底してください。頭の中に置くのは、在籍が1つのときにしか通用しません。掛け持ち状態の管理設計は掛け持ちキャストの予約・シフト管理術に詳しくまとめています。
Day 7|初週の数字をどう見て、翌週の枠を決めるか
初週が終わったら、感覚ではなく数字で振り返ります。見るのは4つだけです。
| 見る数字 | 判断 |
|---|---|
| 新媒体での総予約数 | 少なくても慌てない。初週はここでは判断しない |
| そのうち既存客が何人か | 移送が効いたかどうか。ゼロなら告知が届いていない |
| そのうち新規が何人か | 新媒体の集客力。1人でも来たら手応えあり |
| 既存店の予約が減っていないか | いちばん重要。減っていたら告知が移籍に見えている |
判断のポイントは、新媒体の新規数ではなく、既存店の予約が減っていないかを最優先で見ることです。新規は2〜4週かけて増えるものなので、初週の新規ゼロは想定内。でも既存店の予約が減っているなら、それは告知の書き方の問題で、すぐ直せます。
減っていた場合の打ち手は、既存店の出勤をあらためて単独で告知し直すこと。「◯/◯はA店にいます。こちらも変わらずお待ちしています」の1本で、多くの場合は戻ります。
在籍が増えるほど、記憶ではなく記録で回すしかなくなる
在籍が1つのときは、頭の中とお店の出勤表でなんとかなっていました。2つになると、次のことを同時に覚えておく必要が出てきます。
- どの日がどちらの店の出勤か
- どのお客様がどちらの店の人か(両方来る人もいます)
- 店ごとに違うコース時間・料金・予約ルール
- どちらの媒体から来た新規か
これを記憶で回すのは、初週こそ気を張れても、2週目・3週目で必ず崩れます。しかも崩れ方が「重複」や「連絡漏れ」という、いちばん信用に響く形で出ます。
P-Book は、姫予約をタイムライン上に配置して管理できるツールです。在籍が複数ある場合でも、その日の枠がどう埋まっているかを1つの画面で見られるので、店をまたいだ重複にもその場で気づけます。お客様ごとに来店履歴やメモを残せるので、「この人はどっちの店の人だったか」を思い出す必要もなくなります。
お客様に渡すのは予約ページのURL1本だけ。在籍が2つでも3つでも、お客様から見える窓口は1つのままにできます。出勤情報を媒体ごとに書き直す手間も消えます。
無料で1ヶ月試せます。カード登録不要です。在籍を増やすタイミングは、管理の形を作り直すのにちょうどいい時期です。
よくある質問(FAQ)
Q. 新しい在籍先のことを、今のお店に伝えるべきですか?
お店ごとにルールが違うので一概には言えませんが、掛け持ち禁止の規約があるかは事前に確認しておくことをおすすめします。禁止されていないなら、事後に発覚するより先に伝えておいたほうが関係は保ちやすいです。SNSで告知した時点で、お店側にはほぼ確実に伝わります。
Q. 既存のお客様に、新しいお店のほうが安いことを知られてもいいですか?
料金差がある場合は、先に自分から触れておくほうが安全です。触れずにいて後から知られると「言わなかった」ことのほうが問題になります。「△△のほうがコース料金は◯円安いですが、A店は◯◯ができます」のように、違いをセットで伝えると、価格だけの比較になりません。
Q. 初日の予約がゼロのまま当日を迎えそうです。どうすればいいですか?
当日でも打てる手はあります。その日の出勤をリアルタイムで告知することです。「本日 △△ にて ◯◯:00〜◯◯:00 待機しています。最短で ◯◯:00〜🈳です」のように、今から入れる枠を具体的な時刻で出す。当日の駆け込み予約は、時刻が書いてあるかどうかで反応がまったく変わります。
Q. 両方の店に同じお客様が来てくれる場合、どう管理すればいいですか?
お客様1人に対して、来店の記録を店ごとに分けて残すのが基本です。同じ人でも、A店で会うときとB店で会うときでコース時間や料金が違うことが多いので、混ざると当日のご案内でずれます。顧客ノートのデジタル化についてはお客様ノートをデジタル化するメリットと方法を参考にしてください。
Q. 何週間くらいで新媒体の新規が来るようになりますか?
媒体やエリアによって差が大きいので断言はできませんが、プロフィールと日記の更新を続けた場合で2〜4週が目安という声が多いです。媒体側のランキングや新人枠の掲載期間が終わるタイミングと重なるため、その前に既存客での稼働実績を作っておけるかが分かれ目になります。初週の新規ゼロで判断を下すのは早すぎます。
Q. 在籍を増やしたら、結局どちらも中途半端になりませんか?
出勤枠の配分を決めずに始めると、その状態になりやすいです。初週は「新媒体に週◯日」と先に決めてから始めることをおすすめします。決めずに空いた日だけ入れる形にすると、新媒体側では出勤が不定期な人に見えてしまい、リピートが付きません。
まとめ
在籍を増やした初週にやることを、もう一度整理します。
- 初日の枠は既存のお客様で埋める。新規を待たない
- 告知には必ず「既存店も今まで通り」を入れる。移籍に見せない
- 出勤情報は1本のURLにまとめて渡す。2か所を見比べさせない
- 本指さんへの個別連絡は Day -5。理由を1行添えて、空き枠は2つだけ出す
- 新媒体側は初日の実績をそのまま日記にする。稼働している人に見せる
- Day 7 で見るのは新規数ではなく、既存店の予約が減っていないか
新しい在籍先は、増やした瞬間に成果が出るものではありません。でも初週の動き方次第で、立ち上がりの速さは大きく変わります。そして初週にいちばん効くのは、新規向けの派手な施策ではなく、いままで会いに来てくれた人への1通です。
P-Book は姫予約の管理をタイムラインで視覚的に行える予約管理アプリです。1ヶ月無料・カード不要で試せます。